アゲルの教科書 | 第1章 クラス3 — 土台をつくる | 5 / 59

お客様タイムをつくる接客5ステップ

クラス3経営理念

序論 ── 接客は5つのステップでできている

 ホスピタリティを「心がけ」で終わらせないために、当社の接客を5つのステップに分解します。ゴールはただひとつ、「お客様タイム」=お客様が店のことを忘れて自分たちの時間を楽しんでいる状態を、できるだけ早く作ることです。

 覚えておいてほしい事実がひとつあります。クレームの6〜7割は、①〜②が不十分なために起こっています。「料理がまずい」でも「値段が高い」でもなく、最初の5分の抜けです。逆に言えば、①②をやり切るだけで、クレームの大半は起きる前に消せます。

■ステップ① おしぼり・ファーストドリンク・おすすめとモバイルオーダー説明

 着席直後のお客様が一番不安な瞬間です。「この店、ちゃんと見てくれるかな」。ここで一気に安心を作ります。

チェック項目

■ステップ② 注文している間にドリンクを作って渡す

 お客様がモバイルオーダーで注文を選んでいる時間は、こちらの仕込み時間です。ファーストドリンクを最優先で作り、注文が終わる頃には手元に届いている——この速さが「ちゃんと見てくれている」という信頼になります。

チェック項目

■ステップ③ お客様タイムの開始 ── 主役の交代

 ①②をやり切ったら、主役をお客様に渡します。ここからはお客様同士の会話が主役で、スタッフは舞台袖に下がる。ただし意識はテーブルに残し、呼ばれる前に気付く——これがお客様タイムです。

 「スタッフの私語が気になる」というクレームは、この③への移行が不十分なために起こります。お客様タイムが円滑に始まっていないと、お客様の意識が店側に向いたままになり、こちらの一挙一動が気になってしまうのです。

チェック項目

■ステップ④ 料理提供と説明

 お客様タイムが一旦円滑に始まれば、「提供が遅い」「料理のクオリティが低い」以外のクレームはほとんど起きません。つまりここからの勝負はシンプルで、早く出す・正しく出す・一言添える、の3つです。

チェック項目

■ステップ⑤ お会計

 最後の印象は記憶に一番残ります。会計の待ち時間はお客様タイムの外なので、1秒でも短く。

チェック項目

■クレームはどこで生まれるか(まとめ)

 クレームは5つのステップのどこかの抜けから生まれます。だからクレーム対応の最善手は、起きてから謝ることではなく、①②を毎回やり切り、③でお客様タイムへ確実に橋渡しすることです。

 この5ステップは、お客様満足の追求を営業中の動きに翻訳したものです。チェック項目は「全部○が当たり前」を目指してください。1つの✗は小さく見えて、お客様にとっては「その日の体験の抜け」です。

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