アゲルの教科書 | 第5章 クラス7 — 経営を考える | 50 / 59

株式会社アゲル30年ビジョン①

クラス7長期ビジョン

序論 ── 30年後の到達点

 私たちが目指すのは、AI×食ビジネスの先駆者です。全員経営×データドリブンで「食ビジネスで圧倒的に儲ける経営者集団」を作ります。30年後の到達点は次のとおりです。

 店舗数や会社全体の年商そのものはKPIにしません。あくまで一人当たりの営業利益にこだわり、規模は副産物と考えます。実現の手段は4つです。

  1. ホールディングス制に移行し、経営者を計画的に育成する
  2. 一人当たり営業利益150万円が見込める事業に集中投資する
  3. 採用基準の厳格化で、良い人を採用する
  4. AIとデータで、売上が増えても固定費が増えない筋肉質な経営体質を作る

■30年計画の2本柱 ── 球場出店と多角ドミナント化

柱① 多角ドミナント出店(15億円)

 「天ぷらとワイン大塩」「和食 大塩」「天ぷらと炉端 大塩」「たこ焼き酒場なにわ」の4業態を同じエリアに面で集中出店し、1エリアで年商5〜10億円を作ります。ブランドの柱は天ぷらとワイン大塩、和食 大塩はその天ぷらを補完するブランドです。展開エリアは4つ。日比谷&丸の内、東京駅北口&八重洲、新宿&中野、大阪です。新大阪駅・東京駅など主要ターミナル駅構内のたこ焼き出店(高回転・高効率)も、この柱に含めます。

 この戦略はすでに東京駅エリアで実証が進んでいます。八重洲店が年商6,000万円規模、東京駅店が年商1億8,000万円規模。同じエリアに業態を変えて重ねることで、ブランド認知・物流・人の応援体制がすべて効率化されます。

柱② 球場・フードコート出店(15億円)

 京セラドーム、エスコンフィールド、東京ドーム、福岡PayPayドームなど全国の主要球場へ、たこ焼き(なにわ)とWILD BBQ STADIUMをメインに戦略的に出店します。初期投資ゼロ・家賃は売上歩合のため、ROI(投資収益率)≒∞のキャッシュエンジンです。詳細は「球場出店とWILD BBQ STADIUM」を読んでください。

 さらに、食料品の消費減税が今後恒久化することを見据えて、丹農食品を子会社化して食品事業を強化し、WILD BBQ STADIUMの派生形「WILD BBQ HOUSE」でのフードコート出店も検討・拡大していきます。

■5つの業態と、それぞれの役割

 1エリアを面で取るために、役割の違う業態を重ねます。ブランドの柱は「天ぷらとワイン大塩」。和食 大塩はその天ぷらを補完し、天ぷらと炉端 大塩が夜の滞在時間を伸ばす。たこ焼き酒場なにわが利益を稼ぎ、WILD BBQ STADIUM/HOUSEが球場とフードコートでキャッシュを生みます。

業態想定月商営業利益/月利益率初期投資
天ぷら+炉端(旗艦店)1,500万円170万円11.3%3,500万円
たこ焼き700万円108万円15.4%2,000万円
和食 大塩700万円87万円12.4%2,000万円
球場・フードコート出店1,000万円110万円11.0%0円(家賃歩合)

 たこ焼きは利益率15.4%と最高水準で投資回収が早く、天ぷら+炉端は利益額が最大。この組み合わせでエリアを面で取っていきます。どんな料理を出し、どう進化させ続けるのかは30年ビジョン②へ続きます。

■ホールディングス制 ── 全員経営者モデル

 ホールディングス制は、節税のためではなく経営者育成システムとして導入します。

 大塩は10年以内に事業会社の代表から退き、持株会社の代表として投資収益の最大化に専念します。事業会社の経営は、この教科書を読んでいるあなたたちの世代に引き継ぎます。

■10年財務計画(2026→2035)

■丹波農商グループ ── 生産の9億円

 サプライチェーンの垂直統合の生産側を担う丹波農商グループは、売上2億円・経常利益1億円・利益率50%の超高収益体質を2035年に確立し、2056年に年商9億円のポートフォリオへ育てます。

■食品加工部門 ── 丹農食品の6億円

 丹波農商グループから食品加工と栗を切り出し、丹農食品を株式会社アゲルの傘下(子会社)に移して食品加工部門とします。生産は丹波農商グループ、加工と外食は株式会社アゲル、という並びです。食料品の消費減税の恒久化を見据えた布陣で、食品事業とフードコート出店(WILD BBQ HOUSE)の食材供給を担う成長エンジンにします。

■最後に

 30年ビジョンの柱は球場出店と多角ドミナント化、それを支えるのが全員経営者のホールディングス制と、丹波農商グループ(生産)・食品加工部門(加工)の垂直統合です。一人当たり月間営業利益150万円という一点にこだわり、規模ではなく生産性で日本一の食ビジネス集団を作ります。

 そして、この骨格の中で何を出して勝ち続けるのか——「うまい」を上げ続ける戦略は「株式会社アゲル30年ビジョン②」に書いています。

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